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上皮内がんは浸潤しない

「上皮内がん」というものがあります。
一般的な(という言い方は少しおかしいかも知れませんが、便宜上こう記します)がんは、「悪性新生物」というその名が表す通り、元々我々の身体の中には存在しなかった「がん細胞」が、様々な原因遠因がもとで生じ、増殖や転移を起こし、その影響によって著しく健康を損なってしまう病気なのですが、一方の上皮内がん――「上皮内新生物」(上皮内腫瘍とも呼ばれています)はそうしたいわゆる一般的ながんのような増殖や転移を論理上伴わないため、がん保険においては往々にして、「一般的ながん」とは異なるものとして区別されています。
「悪性新生物」と上皮内がんの決定的な違いは、「浸潤(しんじゅん)」にあります。
悪性新生物は「浸潤」します。
上皮はもちろんのこと、基底膜や粘膜固有層、さらには粘膜筋板や粘膜下層など、発生した部位にとどまらず、あらゆる組織にがん細胞が浸潤し(つまり浸み込んで)、増えたり、転移し続けたりしていきます。
この時、際限なく宿主(がん患者)の血液内から増殖するためのエネルギーとして栄養素や酸素等を奪いつつ、がん細胞からは宿主の本来の細胞にとってダメージとなる毒素を発します。
よって、適切な治療をせずに放置しておくと、体調がどんどん悪化していくわけですが、上皮内がんには、この「浸潤」という悪性がん最大の特徴が存在しないのです。
上皮内がん(上皮内新生物・上皮内腫瘍)は、確かにがん細胞ではあるのですが、上皮の中だけでとどまり、境界である基底膜を破壊することもなければ、間質細胞に浸み込んでゆくこともありません。
また、上皮内にはリンパ管や血管も存在しませんから、転移も論理上、発生しないのです。
いわば、内部は健康体で、表面上だけにぽつんとがんがある状態と言えばよいのでしょうか。
つまり、完全に、そして適切にその部分のがんを切除すれば、ほぼ間違いなく治癒すると言ってもよいのです。
手術後の入院期間も短く、もちろん発生した部位によって差異は生じますが、数日から一週間程度がその相場のようです。
また、きちんとした処置が施されれば、再発に関してもリスクはほぼ無いとさえ言われています。
それゆえに、「一般的ながん」ならば給付の対象となる保障が、がん保険によっては対象外とされてしまったり、給付金が支払われたとしても減額(たとえば診断給付金が10分の1であるとか)になってしまったりする場合があります。
ですから、がん保険に加入する場合は、上皮内がんに対するその保険のスタンスも忘れずきちんと調査してみてください。
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